【書評】Gene Mapper(ジーン・マッパー)の未来は「風の谷のナウシカ」につながるか? -full build- (1)

※この記事は、「Gene Mapper」及び、コミック版「風の谷のナウシカ」のネタバレを含みます。特にナウシカ未読の方はご注意。



◆「Gene Mapper」とは?

農作物の多くがメーカー製の「蒸留作物」に置き換えられつつある2037年。

作物の遺伝子をマークアップし、外観を設計するスタイルシート・デザイナー、林田のもとへ「ジャパニーズ・サラリーマン」を演じる黒川から調査依頼が入った。


…という、なんとも不思議な設定からはじまるSF小説が2012年後半、注目を集めました。


■Gene Mapper | ハイスピード・ノベル「Gene Mapper」Webサイト

■ハイレベルな個人出版電子書籍「Gene Mapper(ジーン・マッパー)」が凄い!

■日本人初? 「コボ」「キンドル」でデビューした新人作家が1位を獲得するまで - 林 智彦 - 本のニュース | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

   

注目を浴びた大きな理由は、これが一個人が執筆・製版・流通・宣伝戦略に至る全ての工程を行って誕生した電子書籍であるからです。

この点については正直「ハードル上げてくれちゃったなー」と思わざるを得ないなあと。
というのは、全ての工程に渡って、プロフェッショナルな仕事をしている。

Web上では「個人でここまで出来るのか!」という声と、「ここまでやられちゃ、安易に後に続けないよ…(´・_・`)」という声が入り混じりました。
また、多くの識者が、個人の情報発信の可能性を示す作品として、この作品を取り上げました。


さて。
そんな話題作が、内容1.8倍増量と大幅に改稿した書籍版「Gene Mapper -full build-」として出版されました。そこで改めて、前述した話題性の部分から離れて、一個の純粋なSF作品としての「Gene Mapper -full build-」について、語ってみたいと思います。


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◆セクシーさも1.8倍増量中。

以前電子書籍版の書評を書いたとき、
「もっともっとセクシーな小説に成り得たはずだ」
と書きました。

端正な文体からにじみ出る、上品なセクシーさ。
この作家の、ひとつの魅力だと思います。

この文体で、あと少しだけロマンスも描いてくれたら。
そんな私の声に応えたのかどうかはともかくとして、今回は女性キャラも増え、既存の女性キャラも若干性格などを変更した部分もあり、魅力が増しています。


これは、人物描写を大幅に増強したことが大きい。


電子書籍版はハイスピード・ノベルという謳い文句で、丹念な描写よりもリズムカルで勢いのある筆運びを重視していた感がありますが、full buildはひとりひとりの登場人物をじっくりと描写していて、それが更なる魅力を生み出しています。

電子書籍版はおっさんばかりが大活躍するおっさん好きのためのおっさん小説、とも言われましたが(汗

full buildはそのおっさんたちですらセクシーさ1.8倍増量です。
これも、じっくりと人物描写に枚数を費やした効果ではないかと。




【書評】Gene Mapper(ジーン・マッパー)の未来は「風の谷のナウシカ」につながるか? -full build- (2) に続く

 
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