まずい店ばんざい。

男A「うーむ。このスープの生ぬるさ。絶品だな」
男B「この、人肌に近い温もりが、なんとも食欲のなさをそそるよな
男A「うまいか、まずいかでいったら、そのどちらでもなく”ぬるい”としか表現しようがない」
男B「まさにこれは、われわれ”まずいラーメンマニア”の、理想を体現するスープだな」
男A「まったくだ」
男B「さて、麺だ」
男A「おれは、かた麺を頼んだんだが」
男B「どうだ」
男A「うむ、かた麺だな。たしかに、かたい。単にかた麺というだけでなく、芯がある」
男B「やわ麺も、なかなかだぞ」
男A「どうなんだ」
男B「とにかく、太い」
男A「太いだと?ここ、細麺じゃないか」
男B「その細麺が、あまりのやわらかさに、みるみる水分を吸収して太くなっていくんだ」
男A「おお!たしかに、見た目にも太いな」
男B「だろ。この、かみしめた瞬間歯の表面に気味悪くへばりつくやわらかい麺が、生ぬるいスープを吸い込んでいく。このまずさたるや、見事としかいいようがない」
男A「すばらしいな」
男B「すばらしいよ」
男A「食ってみろよ。このチャーシュー」
男B「すごいかたさだな」
男A「すごいかたさだろ」
男B「噛み切れないな、これは」
男A「もし、おれたちが家でこのチャーシューを再現するとしたら、豚肉より革靴の底を材料に使うほうが確実だな
男B「このかたさを豚肉で実現できるとは、神の技だな」
男A「ハイレベルだ。ハイレベルすぎる」
男B「とにかく、味的にどこがまずいかっていうと別にとりたててまずい所は何もないにもかかわらず、このまずさだ」
男A「万歳だな。実はオレ、今日こそここのラーメンを完食しようとめいっぱいお腹をすかせてきたにもかかわらず、最初の一口で、もうお腹いっぱいになった」
男B「軟弱者め。しかし、そーゆーおれも、すでに限界だ」
男A「まずいな」
男B「最高にな」
男A「また来ような」
男B「ああ。また来ような」
店主「出て行けぇー!!金はいらん、とっとと出て行けぇー!!二度と来るなぁー!!(号泣)」
 
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